当時、TBSテレビが群馬県の赤城山の麓で、「徳川の埋蔵金の発掘」と称して重機を使った大々的な工事を行い、特番として定期的に放送し、高い視聴率を獲得していた。
しかし、地下深いところに現れた縦穴や横穴は、埋蔵当時のものではなく、太平洋戦争前に、埋蔵金探しのために掘られたものだ。
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昭和13年ごろ、当時の近衛内閣のブレーンだった後藤隆之助という人物が赤城山麓を訪れ、水野家2代目の義治氏と会い、埋蔵金が本当にあるものならば、国家事業としてやるべきだと考え、在郷軍人(退役したり、ふだんは農業などに従事しながら有事に備えて待機していた軍人)を多数集めて大がかりな発掘を行った、 |
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近衛文麿。第34,38,39代総理大臣
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後藤隆之助。近衛文麿のブレーンを務めた政治活動家 |
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明治中期から昭和50年ごろまで、親子2代にわたって埋蔵金の発掘を行った水野家2代目の義治氏(昭和45年撮影) |
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まるでアリの巣のように複雑に掘られた穴が、奥へと続いている。現在は入り口が埋もれて入ることはできない。 |
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そのあとは、ウソかまことか総延長25㎞もあるという。昭和49年(1974)年、私はTBSの発掘現場から500mほど離れた場所にある入り口から中に入ったことがあるが、まるでアリの巣のように複雑に穴が続いていて20~30m入ったところで、出口がわからなくなるのではないかと恐ろしくなり、あわてて出てきた。話半分としてもその穴がTBSの発掘現場まで続いていることは確かだ。 |
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穴の掘り方はTBSの現場で出てきたものと同じ(昭和49年撮影) |
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