そもそも、日本に「宝島」という名前の島が実在することを知っている人が、どれくらいいるでしょうか。私が最近、ある会合で出席者に質問してみたところ、10人のうち1人しか知りませんでした。鹿児島県人の中にも知らない人がいるそうですから、超マイナーな島というしかありません。 正式な地名は鹿児島県鹿児島郡十島村(としまむら)宝島。屋久島と奄美大島の間に約160㎞にわたって連なるトカラ列島には、7つの有人島があります。北から口之島、中之島、平島、諏訪之瀬島(すわのせじま)、悪石島(あくせきじま)、小宝島、そして最も南に位置するのが宝島。面積7.14㎢、周囲13.77㎞、人口約120名の小さな島です。 名前の由来については諸説紛々ではっきりしたことはわかりませんが、『日本書紀』にトカラ列島の名があり、トカラは宝島のタカラに由来するともいわれますので、1000年以上前からそう呼ばれていたと考えられます。けっして海賊が宝物を隠したから宝島というようになったわけではありません。 |
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